2025/6/3
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司法審査と佐賀の出来事 |
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6月1日から、児童相談所による一時保護に対する「司法審査制度」が始まりました。これまで児童相談所の職権で行われていた子どもの一時保護に、第三者の視点を加えることで、親子分離の妥当性をより慎重に見極め、透明性を高めようという仕組みです。 一方、同じようなタイミングで、乳児院の職員が保護者に刺され、命を落とすという痛ましい事件が起きました。亡くなられた職員の方は、きっと「子どもを守る」という一心だったと思います。 私たち児童福祉の現場、特に子どもを預かる施設にいる者にとって、この出来事は他人事ではありません。子どもを守ることは、決して保護者から子どもを「奪う」ことではありません。けれども、保護者からはそう見えてしまうこともある。今回の事件は、その現実を私たちに突きつけています。 制度や法律だけでは支えきれない現実と向き合いながら、それでも私たちは、「子どもの最善の利益とは何か」を、現場で考え続けていかなければなりません。 |
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