先日、「給食のから揚げが一人一個」というニュースが話題となっていました。児童福祉に携わる者として、また子どもたちの暮らしの場である施設の一員として、この問題は改めて食事について考える機会となりました。
給食の栄養バランスや限られた予算といった条件は重要です。また、飽食の時代に育つ子どもたちが「もっと食べたい」「足りない」という感覚から学ぶことも大切です。
しかし学校ではない、暮らしの場である施設としては「食事で足りなさを経験させること」には慎重でありたいと考えています。
施設に入職したばかりの頃(数十年前⁉)、先輩から「食事だけは好きなだけ食べさせろ。そうすれば悪いことも考えない」と教わりました。その言葉はいまも心に残っています。子どもたちが安心して生活するために、ある程度の満足感を得られる食卓が何より大切だと、これまでの経験上、感じています。
一方で、私たちは日々簡単に食べ物が手に入る環境に生きていることも忘れずに、子どもたちには食べ物のありがたみや感謝の気持ちを、食育の一環として丁寧に伝えていかなければなりません。
「満足感」と「節度」。ベルトの穴がまた一つ緩くなった我が身を反省しつつ、これからも子どもたちの食を支えていけるよう努めていきたいと思います。